ひょんなことから、ジャンガリアン種のハムスターを2週間だけ預かることになった、ただ、夜に一握りの餌をあげて、水を取り替えてくれるだけでよいからと。
ハムスターが夜行性だということも、よく分かっていなかった、明け方に、一匹静かに、だが丹念に全身を使って回し車を回転させる彼、夜になり一日のパン焼き仕事を終えて、部屋に帰ってくると暗がりから物音がする、あぁ、ハム助がいるのか、と不思議な気持ちになる。小さく切った人参を4ミリほどしかない小さな両手で押さえて齧る姿がかわいいと思ってしまう。 ハム助の姿が見えない、床に敷いた藁の山を探してみる、こんもりと藁をかぶって寝ている。
2週間目の夜、ハムスターを返却、ケージを置いていた棚が空白、もともとそこは空白だったが、すこしさみしいように感じる。
なにもなにも、ちいさきものはみなうつくし 「9」という映画を見た。
麻袋にジッパーが付いて、背中に9とサインされた小さな機械仕掛けの人形が人類が滅んだ世界で勇気をふるって活躍するというアニメーション。
あの怖くてぷるぷるするちいさきものたちの様子がハム助を思い出させる。
それだけのこと。
http://9.gaga.ne.jp/